|
市場概況 |
|
産地情報 |
|
とくとくマスメディア情報 |
|
お知らせ |
|
リンク集 |
|
|
|
|
2021年6月30日(水)放送分 |
【技術情報】野菜の台風対策 |
[今年の梅雨・台風について]
・今年の九州南部の梅雨入りは例年より19日早く、好天に恵まれた春からすると環境も一変し収穫作業の遅れや野菜の病気が発生しやすい状況になっています。まとまった降水も昨年よりも多く気温は平年並みで推移しています。九州南部の梅雨明けは例年7月の中下旬頃で、天気の悪い日はまだまだ続きそうです。
・今年の6月までの台風の発生数は5つです。昨年は2つでしたのでやや多いですが、台風の発生数の増加や上陸は例年7月から起こります。
[台風対策の前に]
・事前に台風の進路や強さを確認してください。強い台風が直撃する場合は、野菜の対策以前に自身や施設の被害を減らすことを最優先にしてください。
・強風域等のある程度野菜への被害が考えられる場合は、風と雨の対策を行います。
[風対策]
・風の被害は、露地では強風により野菜の茎や葉が折れたり、植物自体が倒れたりするなどの被害が中心となります。
・ハウスなどの施設栽培では施設自体の破損や倒壊なども懸念されます。いずれの被害も、軽減するためには、防風ネットの設置やハウス自体の補強が重要です。
・露地栽培では野菜そのものに強風を当てないことがポイントになるため、被覆資材で直接野菜を覆う「ベタ掛け」や「防風ネットの設置」などが効果的です。
・野菜によっては株元に土寄せをしたり、葉を切り取ったりして、株の揺れを防ぐ方法をとる場合もありますが、白ねぎなど一部の野菜では、土寄せをすると、台風通過後に、軟腐病が多発しやすくなるなど、逆効果となる場合もあるため注意が必要です。
・ハウスなどの施設の対策としては、ビニールを抑えているバンドの締め直し、ビニールの破れの補修、アンカーや杭の点検などを行いましょう。昨年は大丈夫だった施設も、1年で老朽化した部分が増えています。強い台風が直撃する場合は、あらかじめビニールをはいで施設の倒壊という最悪の事態を回避する判断も必要となります。
・ハウス周りの環境整備にも努め、資材等が飛ばないように注意してください。
・育苗中の苗は、まず育苗圃場の周囲の排水対策をしっかり行ってください。納屋等の風の当らない場所を確保できる場合は、育苗箱やポットを移動してください。移動が難しい場合は、防風ネットや寒冷紗などで苗床を被覆し、苗が揺れないよう固定してください。
[雨対策]
・事前に溝を切るなどの排水対策を行ってください。雨の被害は土壌水分が多くなりすぎて、根が酸欠状態になり根腐れをおこして萎れたり、根の活力が落ちて土壌病害が発生しやすくなることが挙げられます。
・台風通過後や大雨の後に水が溜まっている場合は、出来るだけ早く排水してください。あわせて、病害対策の為の農薬散布と液肥の葉面散布、そして発根剤の施用を行い発根を促しましょう。根が回復して、野菜が元気になると葉色もよくなり新芽が勢い良く出てくるため、これを確認してから、徐々に普通の管理に戻してください。
このような台風対策を徹底され、大切な野菜を台風被害からしっかりと守って頂きたいと思いますが、まずは、豪雨や土砂災害から自分自身の身も守るため、台風接近日は田畑に近づかず、しっかりと情報を集めたうえで早め早めの行動に心がけてください。
|
|
|