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2020年11月11日(水)放送分

【技術情報】光合成から見た花きハウス管理
・冬期は低温寡日照の時期のため、切花のボリューム確保が困難な季節となり、光合成をいかに促進させることがハウス管理のポイントになります。
・「光合成」には、光・二酸化炭素・水が必要です。
・このうち最も重要なのは光ですが、冬期のハウスの中ではどうしても暗くなりがちで、光合成に必要な光量が不足しやすい環境です。光合成に必要な光量は、例えばキクでは5?7万ルクス程度とされていますが、冬期のハウス内は二重カーテン無しでもこの光量以下の場合が多いようです。
そのため、被覆資材はなるべく透明性の高い物を利用しますが、散乱光フィルムの利用や北面への反射マルチの設置などで、ハウス内を明るく保つことも効果的です。また、二重カーテンは日中には最大開放を基本として、光量の確保に努めましょう。
・日照量が一年のうちで最も少なく、問題になる時期は11月中旬?1月下旬で、この時期は特に注意して光量確保に取組んでください。
・最近は、光合成促進を目的とした大光量のLED照明が開発されており、ハウス内の日照不足で生育不良となりやすい場所に設置する取組みが今後進むと思われます。
・二酸化炭素の確保については、密閉したハウス内では光合成により植物が二酸化炭素を吸収して濃度が外気よりも低下するため、換気により外気をハウス内に取り込む必要があります。
・ただし、光合成は午前中を中心に日中に行われ、夜間は植物の呼吸によりハウス内の二酸化炭素濃度が外気よりも高く、光合成には好都合な状態にあります。
以前は「ハウスは日の出と共に開放し外気をハウス内に取り込む」ことが基本とされていましたが、現在は日の出後、晴天日ならば2時間、曇天日なら3時間はハウスを換気せず、ハウス内の高濃度の二酸化炭素を光合成に利用した方が効率的ということが、キクやソリダゴなどのハウス内の環境モニタリングで分かってきました。
・温度については、光合成の適温はキクでは15?20度程度とされており、冬期は日中でも温度が不足して光合成が進みにくいことも問題となります。この場合、午前中に2時間程度15度加温を行うことで、光合成が促進されボリュームが向上することがキクやトルコギキョウなどで確認されています。
・最近は二酸化炭素濃度などハウス内の環境を手軽に測定できるモニター装置も普及しており、環境制御に取り組む生産者も増えてきています。皆様もモニタリングによる客観的な視点からのハウス管理に取り組んでみてはいかがでしょうか。